NTT都市開発株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 池田 康、以下「当社」)は、公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2026年度グッドデザイン賞」を「アーバンネット御堂筋ビル」「原宿クエスト」「ウエリスステージ池田山公園」「元新道小学校跡地活用計画(宮川町歌舞練場、新道自治会館、カペラ京都)」の4案件で受賞しましたのでお知らせします。なお、今回の受賞により、当社におけるグッドデザイン賞の受賞は15年連続となりました。
<受賞物件>
アーバンネット御堂筋ビル(大阪府 大阪市)
写真上・左:© Forward Stroke Inc.
【概要】
失われつつある大阪・御堂筋の景観に対し、複合オフィスビルに【調律】という景観手法を活用した御堂筋景観継承プロジェクトです。御堂筋の歴史的コード(ポツ窓)や隣接街区のデザイン要素を“音”と捉え、引用することにより景観の一貫性を緩やかに未来へ連続させ、「価値の立体化」と合わせて御堂筋の景観形成維持と歴史の重層化に寄与していきます。
【審査委員の評価】
御堂筋沿いの建物としてのアイデンティティをもち、自己主張するだけでなく【調律】していくという手法が興味深い。隣接する建築との【調律】のみならず、筋全体を眺めたときに共通して見られる歴史的なデザインコードのボツ窓を取り入れることに、その視野の広さが感じられる。クライアントと設計者の矜持によるところが大きく、システムとしての強さはないが、啓蒙活動も同時に行っていることで補完していることも評価したい。今後建築される建物が少しずつでもこの【調律】の考え方に倣い、1棟の建物としてデザインされるのではなく、御堂筋に建つ建物としてデザインされるようになれば、ゆっくりとしかし確実にまちの価値向上につながっていくだろう。
原宿クエスト(東京都 渋谷区)
- 写真上・左
- © Forward Stroke Inc.
- 写真右
- ©KO TSUCHIYA
【概要】
日本屈指の高地価エリアでありながら、グローバルなブランド街・表参道と、奥に広がる住居地域が背中合わせに共存する原宿。その稀有な二面性「デュアリティ」を活かし、この場所に街と人が交わる複合商業施設「原宿クエスト」を計画しました。パサージュと余白空間が表と奥を双方向につなぎ、原宿の文化の循環を生み出す起点となっています。
【審査委員の評価】
原宿の複合商業施設の建て替えを行い、現代的なデザインにアップデートさせたものである。その際、OMAが設計に参加することによって、周辺環境の戦略的な読みとり、大胆な造形の操作、パサージュの導入などを行い、インパクトをもつ建築が誕生した。これまでにNTT都市開発が手がけてきた原宿の開発とも連動させ、さらなる街の回遊性に貢献したことも高く評価できる。またビジュアル・アイデンティティやランドスケープにも配慮し、原宿らしい文化の発信基地をめざしている。
ウエリスステージ池田山公園(東京都 品川区)
【概要】
池田山の静かな住環境に佇む建築を対象とした一棟リノベーション。地形がもたらす断面性と光の変化を手がかりに、空間の秩序を住まい全体へと再構築しています。アプローチから住まいの内部まで連続する体験と、左官や無垢材、真鍮のディテールが生む陰影により、都市の中にありながら落ち着きと奥行きを備えたこの地ならではの快適性を獲得したプロジェクトです。
【審査委員の評価】
分譲住宅は、不特定多数を相手にする供給形態ゆえに、空間の感じ方や素材の質感といった感覚の領域へ踏み込みにくい。この計画は、住まい手との対話を重ねることでその制約を解き、一戸ごとに作り込む道を選んだ。既存建物が備えていた抜けや高さを性能更新の過程で活かしきったことにまず価値がある。 配管や設備機器の全面更新に踏み込みながら天井高を確保している。改修では通常、更新した設備の経路が階高を食い、性能を上げるほど空間が圧迫される。それを避けるには躯体と下地、設備の取り合いを個別に読み解く作業が要り、断面の検討を相当に重ねた結果と推察される。 素材の選択も的確である。障子が生む柔らかな光、それを受け止める左官壁の質感、無垢材や真鍮の慎ましい表情が、多様な手触りを一つの穏やかな空気へまとめている。時間とともに深まる素材を選んだことは、長く住み継がれる空間としての質を保つ鍵になるだろう。 水盤に見立てた石が反射光を奥へ導く所作を含め、共用部から専有部へ途切れなく続くシークエンスも周到である。今後増えていく住宅リノベーションにおいて、広く参照されるべき水準の計画といえる。
元新道小学校跡地活用計画(宮川町歌舞練場、新道自治会館、カペラ京都)(京都府 京都市)
ホテル(左)が連なり回遊を生む新道通
コミュニティの拠点となる地域施設(上段右)
京都の景観と文化を継承するホテル(下段)
写真:© Masaki Hamada(kkpo)
【概要】
京都・宮川町歌舞練場と元新道小学校跡地を一体開発したプロジェクトです。歌舞練場・地域施設・ホテルを分棟配置し、町家スケールの街並みと路地空間を継承しました。さらに新たな小路を通し、花街文化・地域交流・滞在体験が交差する回遊性のある街区を創出しています。
【審査委員の評価】
街区をまたいで、歌舞練場・地域施設・小学校跡地のホテルを一体的に再編した。花街文化、市民生活や自治、観光という、ともすれば異なる方向性をもちかねない要素を共存させながら、全体として、建築では町家スケールを継承し、敷地内には新たな小路を創出するなどして回遊性を高める開発としている。濃密な文脈をもつ地域において、その理解と丁寧なデザインによって、地域の価値を受け継ぎながら更新をしていく方法として評価したい。
<参考:グッドデザイン賞とは>
グッドデザイン賞は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。
さらに、複雑化する社会において、課題の解決や新たなテーマの発見にデザインが必要とされ、デザインへの期待が高まっています。グッドデザイン賞は、審査と多様なプロモーションを通じて、デザインに可能性を見出す人びとを支援し、デザインにできること・デザインが生かされる領域を広げ、私たちひとりひとりが豊かに、創造的に生きられる社会をめざしています。
グッドデザイン賞は、デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動です。1957年の開始以来、シンボルマークの「Gマーク」とともに広く親しまれてきました。
グッドデザイン賞は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。
さらに、複雑化する社会において、課題の解決や新たなテーマの発見にデザインが必要とされ、デザインへの期待が高まっています。グッドデザイン賞は、審査と多様なプロモーションを通じて、デザインに可能性を見出す人びとを支援し、デザインにできること・デザインが生かされる領域を広げ、私たちひとりひとりが豊かに、創造的に生きられる社会をめざしています。